第五節家族学習の目標日本家族の変遷核家族非婚化?晩婚化少子化日本家族の変遷戦前の家族戦前の日本の家族は家制度に基盤を置き、地域社会はもとより国家とつながる「いえ」を形成していた。第五節家族家制度は明治民法に採用された日本の家族制度であり、親族関係のあるもののうち更に狭い範囲の者を、戸主と家族として一つの「いえ」に属させ、戸主に統率権限を与えていた制度である。第五節家族明治民法下における日本の家制度は「いえ」と「家父長制」の2つを大きな要素としていた。第五節家族戦後の家族第二次世界大戦後は、新しく制定された日本国憲法に基づいて民法の改正が行われ、家制度は廃止された。第五節家族家制度が実際に崩れ始めたのは高度経済成長期の1950年代である。家制度の土壌である農村を中心とした第一産業は衰退するにつれて、農家の若者たちは仕事を求め都市へ流れていった。第五節家族家族の類型◆形態による分類単一家族：一つの世帯家族だけのもの複合家族：複数の世帯からなる家族◆家族のメンバーによる分類核家族：夫婦＋その子供直系家族：長男など家系を継ぐ子供の家族に親が同居複合家族：親戚や子供の配偶者とその子供（おじ?おばやいとこ等）と同居◆役割による分類生殖家族：人間が選択（配偶者や子供数の）によって構成した家族定位家族：子供を社会に送り出す側面に注目した家族第五節家族核家族いわゆる核家族現代日本の家族は、核家族が代表的であるといわれる。第五節家族その典型例は、夫婦と未婚の子供だけで構成される家族であり、これは近親者をも構成員として含む大家族や複合家族に対する概念として主張されたものである。第五節家族核家族化と高齢化日本の世帯は一般的に核家族世帯、単身世帯、三世代世帯、その他の世帯の4つに分類されている。核家族世帯はまた夫婦と未婚の子供からなる世帯、ひとり親と未婚の子供からなる世帯と夫婦のみの世帯を含んでいる。第五節家族第五節家族非婚化?晩婚化日本では、平均結婚年齢や未婚率は年々上昇しており、非婚化?晩婚化が進んでいる。その要因については、一般的には女性の高学歴化や社会進出（賃金労働者化）が言われてきた。第五節家族第五節家族女性が自身で相当程度の収入を得られる社会になったので、「結婚しないと生きていけない」というような状況ではなくなった。また、「大人だから結婚しなくてはいけない」という社会通念（結婚の強制）の希薄化、女性の社会的身分が男性と肩を並べるようになったことも、結婚?出産といった女性の側の一時的なリタイヤへの不安など多岐にわたる。第五節家族少子化少子化の現状少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象を指す。第五節家族日本において、生れる子供の数が減少し、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに社会、経済に大きな影響を与える深刻な問題になった。日本政府は2004年版少子化社会白書において「合計特殊出生率が人口置き換え水準をはるかに下回り、かつ、子供の数が高齢者人口（65歳以上人口）よりも少なくなった社会」を「少子社会」と定義している。第五節家族第五節家族日本では、少子化が進行している主な直接原因には未婚?晩婚率の上昇と出生力の低下があげられる。一方、理想の子ども数を持てない世帯が多いのも主な原因の一つである。第五節家族少子化への対策1990年の「1.57ショック」を契機に、日本政府は、出生率の低下と子どもの数が減少傾向にあることを問題として認識し、仕事と子育ての両立支援など子どもを生み育てやすい環境づくりに向けるての対策を検討し始めた。第五節家族少子化問題をより一歩進んで解決するために、日本政府は2009年から広範な意見聴取や意見募集を行い、2010年1月に今後の子育て支援の方向性についての総合的なビジョンである「子ども?子育てビジョン」を策定した。第五節家族