第三節公害問題学習の目標典型7公害新しい公害典型7公害日本が1993年に公布された環境基本法によると、公害は、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境にかかわる被害が生ずることをいう。この7公害を通常「典型7公害」と呼んでいる。第三節公害問題大気汚染大気汚染とは、人間の経済的活動や社会的活動、火山噴火などの自然災害などによって大気が有害物質で汚染され、人の健康や生活環境、動植物に悪影響が生じる状態のことである。第三節公害問題大気汚染の原因1．自動車などの排出ガスが由来の浮遊粒子状物質や二酸化窒素（窒素化合物）2．工場などからの排煙を由来とする亜硫酸ガス（硫黄酸化物）、揮発性有機化合物。3．廃棄物の焼却排ガスを由来としたダイオキシン類、スス4．建築物の解体を由来とするアスベスト5．火山活動や黄砂の粉塵6．タバコの煙第三節公害問題水質汚濁河川?湖沼?海などの公共用水域は人間活動や自然によって汚染され、水質が悪くなることを水質汚濁という。第三節公害問題原因としては工場排水、生活廃水、船などから排出される油、ごみの投棄、土地造成などによる土砂の流入などがあるが、特に問題視されるのは、生活および産業活動に伴って発生する廃棄物や排出水による汚染?汚濁など対策が可能なものである。第三節公害問題日本で水質汚濁が激化したのは高度成長期以降であるが、住民への有害物質による健康被害が重大化したのは江戸時代からの足尾鉱毒事件が最初といわれる。第三節公害問題これらの問題に対処するために、日本政府は下水道、浄化槽、農業など集落排水施設、コミュニティ?プラントなどいろいろな生活廃水処理施設の整備を推進していると同時に、トイレ排水だけでなく、家庭のすべての排水を浄化する合併処理浄化槽の設置を推進していく。第三節公害問題土壌汚染有害物質によって土壌が汚染されることを土壌汚染という。蓄積性を有するという点で、他の公害とは異なる特性を持っている。第三節公害問題土壌汚染の対策措置として、日本では、1970年に農用地土壌汚染防止法が制定され、土壌汚染の防止、除去、農用地以外への転用など必要な対策を講じるだけでなく、特定有害物質について、詳しく指定された。また、1991年の土壌環境基準や1997年の地下水環境基準の設定を経て、2002年に土壌汚染対策法が制定された。第三節公害問題騒音?振動騒音は、騒がしくて不快感を起こさせる音のことである。騒音の発生源は工場の機械、建設作業、自動車、鉄道、航空機などの交通機関および近隣騒音などがある。第三節公害問題第三節公害問題地盤沈下地盤沈下は、地表面が次第に沈んでいく現象を指す。大別して、人為的な局地的沈下と地震による大規模な地盤沈下との2種類がある。第三節公害問題局地的沈下は地下水の過剰な採取により地下水位が低下し、粘土層が収縮するために生じる現象である。日本は地震が多発の国で、地震による大規模な地盤沈下も何回発生した。第三節公害問題第三節公害問題悪臭悪臭とは、人に知覚できる臭気のうち不快なものを指す。騒音と振動とともに感覚公害に属する。第三節公害問題四大公害病公害病は、大気汚染、水質汚濁などの公害によって起こる病気である。◆水俣病◆第2水俣病（新潟水俣病）◆四日市ぜんそく◆イタイイタイ病第三節公害問題新しい公害高度経済成長期に進行した日本の環境や人の健康を脅かす典型7公害は、1993年に制定された環境基本法や関連法などにより改善された。しかし、近年公害の種類が多様化し、典型7公害に対する苦情は減り続けたが、それ以外の公害に対する苦情が増えている傾向になる。第三節公害問題典型7公害以外の公害に対する苦情で最も多いのが、廃棄物の不法投棄である。廃棄物は産業廃棄物と一般廃棄物に大きく2分類されている。第三節公害問題第三節公害問題